レビュー
評点
総合評価: 8.5
明瞭性: 9
応用性: 8
情報の価値:8.5
動画を見た感想
金融リテラシーが極めて高い両学長の解説動画をご紹介する。
ある方からの質問に答えるかたちで、分散投資の有効性を解説している動画である。
結論をいうと、「分散投資はリスクの低減に確実に効果があるが、リスクがまったく低減されないものもある」ということである。
投資である以上、何らかのリスクを取らなければリターンはゼロだし、かといって許容範囲を超えるようなリスクは絶対に避けた方が良いと私も思っている。
投資対象がどのような値動きをしたとしても、致命傷を負わなくても良いようにポートフォリオを組むことが投資の世界で生き残る唯一の方法だと思う。
私も20代前半の頃は軍資金の100万円を数ヶ月でほぼゼロにしてしまった苦い過去がある。
その頃の私は、リスクコントロールを全く考慮せず、感情のおもむくままに行動をしていて、失敗の連続だった。
それから少しずつ勉強と失敗を繰り返し、金融リテラシーを少しずつ高めることで致命傷を負わずになんとか生き残ってこれた。
今は無料で有益な動画を活用しながら勉強できる時代である。
こんな時代だからこそ、コツコツ勉強して教養を身につけ、お金と仲良く出来るような人生を送っていけるようになりたいし、このブログを見て頂いている皆さんにも同じようにお金と仲良く出来る人生を送って頂ければ、このブログ運営している意義があると信じている。
この動画で分かること
- 分散投資には意味があるが、資産、地域、時間の3つの分散が重要だとわかる
- どんなに分散投資しても、市場全体のリスクをゼロにすることはできない
- 資本主義社会の中で生きるのであれば、投資をしていかないと気付かないうちに少しずつに貧しくなっていくことが分かる
動画の要約
分散投資は本当に意味があるのか?
分散投資の本質を表したたとえ話が、「タマゴをひとつのカゴに盛るな」という話がある。
タマゴを複数のカゴに分けておけば、1つのカゴがクラッシュしても大丈夫だから。これが分散投資の基本的な考え方になる。
しかし、分散の考え方には主に3つの方法がある。
- 資産を分散せよ
- 地域を分散せよ
- 時間を分散せよ
資産の分散とは
資産の分散とは投資対象の分散であり、代表的な資産は以下のようなものがある。
- 株式
- 債権
- 不動産
- ゴールドや原油、穀物のようなコモディティ
上記の特性が異なる複数の資産を組み合わせるのが大切になる。
多くの優れた投資家推奨しているのは、株式が6割から8割で債権が2割から4割程度のポートフォリオを組めば、株式100%よりもリスクコントロールが大幅に増すと
地域の分散とは
地域の分散とは、地域別の資産への投資になる。
- アジア
- アメリカ
- ヨーロッパ
- アフリカ
上記の様に地域別の資産への投資のことである。
時間の分散とは
投資時期を集中させずに、資産の購入タイミングを分けて投資するべきという考え方。
いわゆるドルコスト平均法という積立方法が有効と説いている。
2つのリスク
株式投資のリスクには大きく分けて下記の2つのリスクがあるという。
- アン・システマティック・リスク(個別リスク)
- システマティック・リスク(市場全体のリスク)
個別リスクとは
両学長の説明ではトヨタ自動車を例に出して説明している。
例えば、自動車の販売台数が大幅に落ち込んでしまったり、最近話題になっている半導体不足による生産量の調整などが発生してしまうことがある。
またはリコールが発生してしまった時などは、その個別株にとって大きなリスクとなる。
これらが個別リスクになる。
市場全体のリスクとは
株式市場全体に関わるリスクのことで、長期金利の変動、突然の大災害、政治状況などが市場全体のリスクと定義される。
最近では岸田首相が金融所得課税の見直しについて見解を述べるようになったが、これも市場全体のリスクといえる。
両学長が言いたいこと
両学長がこの動画の中で一番言いたいことは以下の言葉となる。
「個別リスクは分散投資によって減らせるが、市場リスクは分散投資でも減らせない」
個別リスクは銘柄数を増やせば増やすほど減らすことが出来るが、市場リスクは絶対にコントロールできないリスクであり、この市場全体のリスクは受け入れなければならないのだ。